仮想通貨を行う上で必ず出てくるブロックチェーン。
得体の知れないものに投資はなかなかできませんよね。
そんな方に時短で学べるブロックチェーン情報をまとめました。
ライター紹介
twitter:@crypto_dog_jon
職歴:WEBマーケター12年
(通販WEB責任者6年、代理店6年)
現職:SNS系WEBマーケ会社勤務
今まで担当したHP:300種以上
IT補助金も案内しています
暗号資産の大海原に飛び出した小舟を助ける記事でありたい
ブロックチェーンとは?
ブロックチェーンとは、WEB上に存在するデジタルデータについて、 ブロックと呼ばれるデータの集合体につめてチェーンのように繋ぐ保存技術です。
特徴があります
改ざん不可能な分散方法で保存
複数のコンピューターが同じ情報を持ち、改ざんされないよう見張る仕組みです。
透明性が高い
ネットワーク上にブロックが保存されていて、誰でも確認できる状態
管理者なしでも自動で動く
プログラムによってブロックが形成されていく状態
仮想通貨の取引情報を保存するためにブロックチェーンが使われています。
加えて、
・ブロックのチェックをしてくれる人にコインを発行
・コイン発行の上限や半減タイミングを設置
などのプログラムを追加し、自動で運用しています。
サーバーを使わない分散型システム
複数のデジタルデータは通常、サーバーにデータを置くものです。
しかし、ブロックチェーンはサーバーではなく、ネットワーク上に情報の塊(ブロック)で存在しています。
例えば、A銀行とB銀行に口座を持っていたとします。
それぞれの取引履歴はそれぞれの銀行のサーバー(台帳)に記録されている訳で、それぞれのATMで記帳していたかと思います。
これが中央の機関やサーバーを使っているという意味です。
対してブロックチェーンではどうやって運用しているかと言うと、ネットワーク上にあるブロックの情報をノードと呼ばれるPCのような端末(通信機器)で保存します。
ノードは(世界中に)複数存在し、それぞれブロックチェーン全体をコピー保持しているため、1個のノードがダウンしても、改ざんされても、他のノードで運用・確認できるという訳です。
ネットワーク上に分散して保存するからこそのセキュリティやトラブル、不正に対しての安全性が担保されます。
これを分散型システムと呼んでいます。
P2P
(中央集権的な)サーバーがない状態で情報交換できる技術として、以前P2P(ピア・ツー・ピア)がありました。
有名なのはWinny(ウィニー)やSkypeです。
WinnyはPC同士で直接的にファイルを共有できるソフトでしたが、ブロックチェーンはプログラムとして情報をブロックでつないでいくわけで、それをノード同士で共有している状態になります。
透明性を保つ
ブロックチェーンは、複数のノードで保管しているのは学びましたね。
ネットワーク上には取引履歴が存在している訳で、有限であるビットコインに対して誰が誰と取引したか、全ての履歴が詰まっています。
そんな中、自分のビットコインを10倍にした履歴を勝手に作り、ブロックチェーンに組み込んだとします。
そうすると、
「あれ、このビットコインは勝手に生成されてるぞ」
どのノードを見ても、10倍にしたビットコインの取引先が見つからないため、ブロック化されない仕組みになっています。
このように、取引の追跡や情報の公開が前提でシステムが成り立っているわけです。
(もちろんデータはブロックチェーン上では暗号化されているため、個人情報など匿名性を必要とするタイプで保存は可能)
簡単に言うと、1万円札にGPSがついてて全ての取引履歴が閲覧できる状態ということです。
こうなってくると不正や盗みを行うことも難しくなってきます。
(お金に個人情報がついている訳ではないため、お金を引き出す秘密鍵というのを盗まれたら終わってしまう)
秘密鍵の仕組みについてはコチラに詳しく記載しています。
この技術は通貨だけでなく、透明性を必要とする様々な分野で実現することができます。
たとえば、食品産業では、製品の生産過程や流通過程をブロックチェーン上でデータ保存することにより、
どこで作られたものが、
どのスーパーで売られて、
誰が購入したか、
までわかる仕組みが可能なわけです。
こうすることで、食品の品質や安全性の向上、さらには事故や事件の早期解決が期待されます。
以上のように、ブロックチェーンは、今まで中央集権的でデジタルデータの改ざんが不安だった部分が、分散型のシステムにてブロックチェーンネットワークの参加者によってチェックされ、取引の安全を保ちます。
そして透明性が高いことで、仮想通貨以外にも様々な分野で応用が可能な技術です。
管理者なしでも自動で動く
ブロックチェーンは、ブロックにデータが格納されています。
各ブロックには、1つ前のブロックの情報も含まれています。
このように、一つ前のブロックの情報(ハッシュ値などと言ったりする)を含めてはじめて完成形になる訳です。
このつながっている状態を鎖のチェーンのように見立て、ブロックチェーンと呼ばれています。
これらはブロックが連なった状態で分散型のネットワークに保存されます。
先ほど解説したように、分散されているからこそニセデータに気づける仕組みです。
ブロックチェーンの応用例
有名なのは仮想通貨であるビットコイン。
ビットコインの取引はブロックチェーン上に記録され、改ざんが不可能なため、偽札も出回ることがありません。
こうした固有データは貨幣になり得ると考え、サトシ・ナカモトという開発者が2008年にプログラムとして稼働させました。
現在までこのブロックは改ざんや壊れることなく信頼性の高い取引システムとして注目されています。
(取引所のハッキング事件は発生したがブロックチェーンそのものの問題は見つかっていない)
ブロックチェーンは、ビットコイン、イーサリアムなどの暗号資産以外にも多くの分野で応用されています。
たとえば、金融業界。
証券取引や送金、保険などといったお金の代わりに流通しているものも利用が検討されています。
また、不動産業界では、土地の所有権、移転情報、契約情報の履歴をブロックチェーン上で行うことで、資格がなくとも個人間での取引できる未来が近づいています。
薬局の処方箋データをブロックチェーンで運用する
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000057290.html
不動産取引
不動産の登記情報をブロックチェーン上に記録することで、不動産の売買や所有権移転など改ざんされることなく、権利の証明ができるわけです。
こうなってくると不動産登記などは個人間でかつ迅速に行うことができるようになります。
スマートコントラクト
スマートコントラクトとは、自動販売機にコインを入れたらジュースが出てくるように、契約内容をあらかじめブロックチェーン上に置いておき、ユーザーがお金を支払うことで自動的に契約が履行されるシステムです。
ブロックチェーン上の契約内容は書き換えられることがないため、透明性が高く信頼性のある契約システムとして注目されています。
ログ管理
ブロックチェーンを活用することで、ログ管理システムを構築することができます。
ログ情報をブロックチェーン上に記録することで、情報の改ざんを防止し、信頼性の高いログ管理システムを実現できます。
物流管理
産地から食卓まで追跡することをトレーサビリティと言いますが、まさしくブロックチェーン技術を活用することができます。
誰が育てて、誰が出荷して、運んで、、といくつもの行程を記録することにより、商品の流れを完全にトレースでき、現在のトレーサビリティシステムよりも不正が起こりにくく、信頼性のある物流管理システムを実現できます。
投票システム
固有の証明ができるブロックチェーンを利用すれば投票を管理するシステムを構築することができます。
誰が誰に投票したか、がブロックチェーン上に記録されるため、集計スピードもアップすることが予測されます。
以上のように、ブロックチェーンは様々なサービスで活用されています。
ここでブロックが生成される過程を見てみましょう
分散型のシステムであるため、当然ブロックチェーン生成には、複数のノードが協力して行います。
新しいブロックをノードが作成
まず新しい取引情報があると、ブロックを1つのノードが作成します。
この時点で新しい取引情報と過去の取引データ(ハッシュ値)が含まれた状態でネットワーク上にフラフラ浮いた状態です。
ネットワーク上にチェックしてね、と伝える
次に、ブロック作成ノードが他のノードに伝えます。
この後、他のノードは、新しいブロックが正しいかどうか検証します。
他のノードが検証を開始する
他のノードは、受け取ったブロックが間違っていないかどうかを検証します。
具体的には、前のブロックのハッシュ値、ブロック内のデータが改ざんされていないか、
過去のブロックはすべての履歴を持っています。
もちろんコインが生成されたことも。
プログラムとして歪なデータは、ブロックの中に入れることはありません。
問題なければブロックを追加する
ブロックが正しければ、ノード達はそのブロックを自分のチェーンに追加します。
フラフラ浮いた状態のブロックがチェーンによって結びつけます。
このように、作成したノード以外のノードがブロックに対して検証する作業を行うという訳です。
こうしてブロックチェーンは、複数のコンピューターに同じ情報を保存し、毎回整合性を一致させ運用していきます。
不正ができないという点はデータベースの観点から言えば、セキュリティ上の問題を大幅に低減する画期的な技術であると言えます。
コンセンサスアルゴリズム
分散型のシステムの特徴で、新規のブロックを作る際は複数のノード間で合意形成(不正でない事を証明)を行います。
合意して新ブロックを形成するわけですが、合意する手順であったりルールを定めないと、世の中に沢山あるノード達が
「誰がするの?」
と混乱してしまいますし、セキュリティの面でも危険を及ぼします。
これを防ぐためにコンセンサスアルゴリズムというルールを作りました。
ビットコインは 2023年1月の時点で11,000のノードが存在すると言われています。
これらが協調して同じデータを共有する必要があるためルールは大切です。
ちなみにブロックをつないだノードにはコインが付与されます。
コンセンサスアルゴリズムもいくつかあり、仮想通貨において採用している種類が異なります。
以下は、代表的なコンセンサスアルゴリズムです。
Proof of Work (PoW)
ビットコインはこのプルーフ・オブ・ワークを採用しています。
仮想通貨ではポピュラーなコンセンサスアルゴリズムになります。
PoWのルールは、新しいブロックが正しいものか承認するための確認に、ハッシュ値の計算と競争のルールにしました。
ノードは過去のブロックをすでに持っているため、そこに合うハッシュ値とよばれるものを計算します。
早く計算を行ったノードが次のブロックを追加することができます。
ちなみにこの計算は、膨大な計算力が必要でありすぐには解けない・高性能のコンピューターが必要などいち犯罪者が参加できるようなものではありません。
Proof of Stake (PoS)
イーサリアムがこの方式を採用しています。
PoSは、簡単に言うとノード自身が保有している仮想通貨の量に応じて、ブロックを追加することができます。
つまり、ノードが仮想通貨を誰よりも多く保有しているだけで、ブロックを追加する権利を得やすくなります。
コインの創始者の思想にも反映していますがこの方式により、ノードを多く抱えなくともの電気消費が抑えられ、エコサイクルとしてはPoWに対しては有効だと考えられています。
ちなみにお金持ちだけが権利を得ることを防ぐため、コインの保有期間も考慮するプルーフ・オブ・ステークも存在します(保有量×保有期間の値に応じて割り当て確率が変わる仕組み)。
Delegated Proof of Stake (DPoS)
デリゲート・プルーフ・オブ・ステークは、PoSの派生であり、コインを多く保有している少数の代表者に「投票権」を与え、投票によってブロックを追加する権限を決める方式です。
この方式によりコインを多く保有しているノードは、他のノードに委任する形でブロック追加がなされ、効率よくブロックが形成していきます。
ブロックチェーンにも(デメリット)欠点がある
いくつかあるので見ていきましょう。
スケーラビリティ(データ量の度合)
ブロックチェーンにも限界はありませんがノードには限界があります。
1日に何千の取引が世界中で行われているため、膨大な量の処理が必要です。
当然、多大な処理能力を必要とします。
そのため、ノード達は大規模なコンピューター演算能力をもってブロックチェーンを維持しなければなりません。
このように都度、仕事の増大に適応できる能力(スケーラビリティ)の見直しが求められます。
匿名性の問題
ブロックチェーンは高いセキュリティを保持しているが、あくまでもその保存方法が安全であり、それを使用する人の管理まではできない。
秘密鍵と呼ばれるものが、何らかの原因で犯罪者に渡った場合、ものの数分で引き出されている事件がいくつも散見されます。
銀行でいう通帳とパスワードが犯罪者に渡った場合と一緒だ。
ATMだと引き出す瞬間が監視カメラに写っていたりするが、こうしたネットワーク内の金庫はアクセスログ等しかないのが現状だ。
近年は秘密鍵が複数あるマルチシグや署名等の防衛技術は改善されています。
ちなみに別の視点ですが、一度ブロックチェーン上に情報が登録されると、もはや情報を(改ざん)削除はできません。
また透明性の所でも話したように、取引情報は基本オープンであるため、取引の詳細が見れる可能性もあります(いくら動いたか、ぐらいはすぐに分かる)。
コスト・環境問題
ご存じの通り、ブロックチェーンを維持(新しく生成)するためには大量の計算処理が必要で、PCから大量の熱が発生します。
多くの電力はPCを冷やすことなのですが、結局はこれで電力を消費します。
ノードが新しくブロックを生成することを マインニングと呼び、マインニングマシン(ノードの機械)を24時間稼働させた場合、数百ドルから数千ドルの電気代になります。ちなみにマシン自体の値段も相当なものです。
結局は電力を遡ると火力発電なら化石燃料消費、二酸化炭素の排出といった具体でエコサイクルからは外れるため問題視されています。
51%問題
ブロックチェーンはノード達の協力によってブロックを形成していきます。
不正なブロックが登場しても、ノード達が持つ過去のブロック情報と一致しないためにチェーンを繋ぐことはありません。
しかし、不正なブロックを認めるノードが、ネットワーク上で過半数、つまり51%以上支配することができれば不正を行える可能性があります。
ただ、このような攻撃を行うためには膨大なPCが必要で、現実問題が難しいと言われています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
データを改ざん不可能にし保存できる技術、それがブロックチェーンです。
銀行などの中央集権的管理がなくなり、個別の取引ができる仕組みが整いました。
手数料や契約手続きなど、簡素化はますます進んでいくことでしょう。
同時に、これからは自分自身で取引の中身を把握し、判断していくことが必要になってきます。
2023年 1月 時点
リスク管理について:本記事 以外に日本円の出金・通帳への入金含め手数料についての最新情報は、基本的に各所取引所の公式 サイト(詳細 コンテンツ)を常に確認しておくことで解決します。
※取引所のコインは年々増えています。
トレードを行う場合、特にローカル ウォレットはスマートフォンやPCは必ずセキュリティを強化しておきましょう。
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※上記の情報につきまして、その完全性・最新性・正確性について保証するものではなく、また、特定の暗号資産(仮想通貨)の推奨を行うものではありません。
初心者の方はリスクを考え、投資する資金は生活費とは別で少額にて取引を行いましょう。